クミコオオシマの古い日記帳

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2020年秋 心の空気を入れ替える旅【後編】

少し長めの旅を振り返り、まとめる記事です。前編はこちらから。

 

 

旅の全体像はこんな感じ。東京以外は市の名前です。

■前半
1日目 東京→福岡→北九州(飛行機・新幹線・普通の電車)
2日目 北九州→下関→山口(船・自家用車)
3日目 山口→津和野(蒸気機関車)
4日目 宇部→東京(飛行機)

5日目は中休み。片付けや洗濯、後半の準備など

■後半
6日目 東京→静岡(バイク)
7日目 静岡→四日市(バイク)
8日目 四日市→京都(高速バス)
9日目 京都でステイ
10日目 京都→四日市(高速バス)
11日目 四日市→浜松(バイク)
12日目 浜松→東京(バイク)

 

それでは後半のまとめ、始めます。

 

6日目 東京→静岡

この日から人生初めてのロングツーリングに出発しました。二輪免許を取ってから僅か1ヶ月半での決行となりましたが、普段から乗ったり高速を走る練習をするなど自分なりに「いける」と判断して実行しておりますのでご安心くださいね。

 

中央道→東富士五湖道路→御殿場から新東名 このルートで静岡市を目指しました。まず思ったのが、リュックめちゃくちゃ邪魔(笑) 運転疲れよりも先に肩に痛みを感じてしまい、こまめすぎる休憩を挟んでの移動となりました。

 

私のバイクは250TRと言いまして、排気量は小さく、単気筒で車体も軽く、速く走るのには向いていないことは素人目にもわかります。ゆったりのんびり、道が空いていれば時速70キロ巡行、周りの車両に気を遣うシーンでは時速80~90キロ出すくらいでした。スピードを出せないことが初めから分かっていたので、スケジュールには余裕に余裕を持たせました。

静岡に到着後は現地の友人と合流し、さわやかのハンバーグを食べに行きました。

 

中身がレアのハンバーグです。ソースも美味しいし、何よりあの生挽肉をもちゃもちゃ食べてる感じがたまらんのですよな…(笑)

 

7日目 静岡→四日市

引き続きバイクです。前日の肩こりを踏まえ、荷物の詰め方を工夫しリュックをコンパクトにして出発しました。

 

ずっと高速を走るつもりが、強風に耐え兼ね岡崎東ICから下道へ。ここからしばらく国道1号線を名古屋方面に進み、途中謎に湧いた冒険欲に従い道を変えた結果名古屋市内を抜けるのに苦労しました(笑) 伊勢湾岸道を走ってみたかったけど、ただでさえ風が強い日に海沿いを高速でこのバイクで走るのは割と死ねる…というわけで大人しく四日市まで下道です。

 

ロンツーのゴールは四日市の祖父母宅でした。夜ご飯は祖父母と一緒に。祖母があまりにもお喋りで一人で延々と話し続けるタイプの人なので、私は相槌botをしながら祖母が作った里芋のから揚げを食べていました。美味しかったです。

 

8日目 四日市→京都

高速バスで京都へ向かいました。観光というよりも友人らに会いに行くためです(結局観光もしちゃったけど) 花街を歩いたり、酒を飲んだり、酒を飲んだりもしました。

写真は友人の家にお邪魔して作ったハマグリの酒蒸しと山口の郷土料理の瓦そば。

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ハマグリの酒蒸し

 

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瓦そば。本来は熱々の瓦の上にのせます(マジで)

 

このあたりで帰り道のことが不安になってきます。雨予報なのです。もしかしたら旅の疲れが出るかもしれないし、バイクが壊れるかもしれないし…とか考えだすとキリがなく、不安に飲まれてその場を楽しめない瞬間も。

「物事の終わりに安心を求める」心癖がぶわ~っと出てきます。よくわからないことに、答えが欲しい。早く安心してしまいたい。旅の途中に限らずそういう気持ちがいつも心の中にあったことに気付きます。

でもこの考え方だと、生きている時間のうち心が休まるのはほんのわずかです。何かが終われば、別の何かが始まります。”安心できる終わり”はすぐに終わってしまいます。

やっぱ、過程を楽しまなきゃね。その時その時の最善を尽くせばきっと”いい感じの終わり”を迎えられると信じ、今に集中しました。そうすると、不安はいつの間にかいなくなりました。

 

こんな風に、酔いと疲れの一歩手前で大きなヒントに出会い、この日はぐっすりと眠りました。

 

9日目 京都

前の日とはまた別の友人と、高台寺でお茶をいただき、食べ歩きをし、清水寺を参拝し、カフェでワッフルを食べ、デパ地下を練り歩きました。

途中バイク用品店にも寄り荷物ネットを購入。帰り道は肩こりからおさらばできそうです。

最後にカラオケに行き、好きなバンドのDVDを見ながらたくさん頭を振りました。バイクでの帰り道が待っているとわかっていても筋肉痛になるまで振りました。シャワーを浴び、首に湿布を貼って眠りにつきました。(湿布をくれた友人よありがとう)

 

10日目 京都→四日市

再び高速バスに乗り込み四日市へと戻ります。そしてこの日も祖父母の家で夕食をとり、私は相槌botをやりました。

バイクに反対しつつもなんやかんやで私を迎え入れ、美味しい料理を作ってくれた祖父母に感謝。長生きしてくれ。(あんたがバイクに乗ると心配で寿命が縮むと怒られたけど、そればっかりは慣れてほしい笑)

 

11日目 四日市→浜松

さてロンツー復路。この日は予報通り雨に見舞われ高速を断念。レインウェアを着て、国道1号線を来た方とは逆にひたすら進むことにします。道を考えなくても良いというのは本当にラクですな(笑)

ネットで荷物を車体にしばることができ、体力的にはかなり余裕がありました。行きと比べればちょろいもんです。その代わり雨天でプラマイゼロ…という感じでしたが。初めてレイングローブというものを使いまして、本当に手が濡れないのでびっくりしました。

豊橋を過ぎたあたりで雨が上がり、浜松を走った時には綺麗な水平線を見ることができました。天候回復の喜びと相まって感動はひとしお。

雨で体が冷え切る前に、浜松のホテルで一泊です。

 

 

この食事は本当に幸せだった…(笑)

 

12日目 浜松→東京

 

背中はフリー、天気は晴れ、知っている道。もう怖いものはありません。行きも通った場所を反対側から振り返る道のりには感慨深いものがありました。

 

バイクの上に身体が乗って、エンジンの力を借りてものすごいスピードで前に進んでいきます。私が通り過ぎるだけの街にも人々の暮らしがあり、その街を通り過ぎていく私には私の暮らしがあります。その一瞬のまじわり。

ああ、命って、今を生きてるんだなあ…過去は段々遠くなるし未来のことはよくわからんけど、今は確実に今だなあ…と、当たり前のことに気付くのでした。

 

事故やケガなどのトラブルはなく、無事に家まで帰りました。

 

 

この旅が教えてくれたこと

私なりの言葉ですが、過去や未来は言わば栄養価の低いお菓子みたいなものです。最近の私はそのお菓子をどんぶりいっぱいに盛って、がむしゃらに口に放り込み、食べすぎて怠くなって一日を終えていた感じがします。

でも、私がいるのは今。今を今として使いたい。そう考えたとき、身体は良い目印になります。常に脈を打ち、呼吸を続けてくれている身体に意識を向けると「今は今だよ、今という時間しか生きていけないよ。ほら!ドキドキスーハー!今!生きてる!」と教えてくれます。めっちゃ健気でかわいい(笑) (再生はぜひショタ声でどうぞ)

今までずっと、身体は借り物であるかのように感じていました。自分の命は本物ではない気がして、身体の面倒を見るのがすごく嫌で(寝なきゃ動かんし食べなきゃ動かんし…)、早く身体を抜け出して本来の自分に戻りたいぜ、みたいな感覚がありました。見た目の話ではなく命として、自分の身体のことがあまり好きではなかったです。

そんな私に今回の旅が教えてくれたことは「この身体で今を生きることは楽しい」ということです。え、もしかして、みんなもう知ってる…?わかってなかったの私だけですか…?(冷汗)

どちらにせよ、旅に出る前よりずっと、今を楽しめています。力を抜いて、しかしボヤっとせず確実に、今を生きている感覚があります。人の身体、案外悪くないかも。

この気持ちをずっと大切にしていきたいという想いで、旅まとめ記事後編を終わりにします。

 

良い音楽作るぞ~。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!