DIR EN GREYとボロボロの歌詞カード
山口の実家におります。特にこれといった用事はなく、東京でも出来るような作業をノートPCでこなしたり、ふらっと出かけたりしています。
今回の帰省は、東京から山口に向かう間で広島に寄りました。アステールプラザでのDIR EN GREYのライブを見るためです。初めてのDIR EN GRAYのライブ、色々怖いんじゃないかと若干の恐怖心を抱いていたんですが…始まってからはあまりのカッコ良さにしばらく呆然としまして、最後はブンブン頭を振って楽しむことができました。怖くなかったです(笑) 人間らしからぬ雰囲気の5人組が人間の歌を奏でていたのが印象的でした。
そのライブと同じくらい印象に残ったことがありまして。
広島へと向かう途中、DIR EN GREYのファンと思われる人を見かけました。その人がイヤホンを耳に刺し、おもむろに取り出したのはボロボロになるまで読み込まれた歌詞カード。普通のCDサイズより少し大きかったからきっと限定盤のものなんだろうと思います。紙はクタクタになり、ふちは白く折れ曲がっていました。
そのボロボロの歌詞カードがすごくカッコ良くて。
今まで私は歌詞カードを精密機器と同じように扱っていました。手汗や皮脂が付かないように、折れ曲がらないように紙のふちをつまむようにめくるのが常で、そうすることが作品への敬意だと思っていました。だから歌詞カードはあまり気軽に開くことができません。「さあこれから注意を払って音楽鑑賞をしますよ」と心の準備をして、十分な時間が取れるときはじめて手に取れるのが歌詞カードです。
でも、ボロボロになるまで読み込まれた歌詞カードは幸せそうで、私もそうしたい気持ちが湧いたのでした。ストリーミングでも音楽が聴ける時代にわざわざCDを買っているんだから、買った"モノ"とトコトン戯れてやろうじゃないの。
…というわけで、こらからは手汗も皮脂も気にせず歌詞カードをむちゃむちゃと触って楽しもうと思います(笑) 歌詞を読みながらアルバムを通して聞くの本当に良いですよ、語弊は恐れますが言葉を選ばずに言ってしまえばとても良い娯楽です。
保存・観賞用にCDを追加で買う人の気持ちがなんとなくわかった気がします。 傷ひとつない新品も、使い込みと手入れを繰り返した古い品も、どちらも素敵ですもんね。